大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和42(オ)53 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人江崎晴の上告理由について。

所論の点に関する原審の事実認定は、挙示の証拠により是認できる。しからば、右

事実関係の下においては、本件印鑑証明書に押捺されたD名義の印影が偽造印鑑に

よるものであることを看過したEには過失なしとして、この点に関する第一審判決

判示を是認引用した原判決の判断は正当と認められ、また、Eが本件印鑑証明事務

を取り扱うにあたつて、Dを詐称するFをもつて、真にD本人と信じたのは無理の

ないところであつて、その人物の同一識別に際し前記Eがした確認行為に過失があ

るということはできない旨の原判決の判断も是認し得る。それ故、原判決には所論

の違法は認められず、論旨は採るを得ない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

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